これだけは言わせてくれ!業界の性風俗に対する偏見や誤解が蔓延っている!
最近、世間で風俗離れがひどくなっているらしい。
個人的にプライベートで利用しないから困らないにしても、それでも以前は業界を端から盛り上げる立場に人間の身としては寂しい限りだ。
ただ、情報社会と叫ばれているこの社会の中で、風俗のみがステレオタイプで取り残されていないだろうか思う。
特に、風俗を一度も利用したことがないという人にとっては、性風俗業界とは人外魔境で魑魅魍魎な世界と思っているに違いない。
僕が業界から離れた頃というのは、マイナンバー制が実施されたら、業者がヤバいという話がいたるところから聞こえ始めた時期だったので、今とは少し状況は違うと思うが聞いてほしい。
当時の僕の仕事は基本的にナイトレジャー系のお仕事で、とある誌面の文章を書いたり、写真を撮ったりするのが主な内容で、他に風俗系サイトのコンサルティングという名のお助けサポート的役割を行っていた。
そんな訳で店長クラスの人とかなり仲が良かった。
なぜ?と思うかもしれないが、よほどの大手以外でなければサイト更新は店長クラスのお仕事だったからだ。
そんな訳でかなり込み入ったお話を聞けたりもした。
1.安心の~委員会届け済店って、あれ実は・・・
風俗店の中には、安心&届け済店という表記しているお店がある。
パッと見ると「キチンと認められたお店なんだ」と思うが、実はそうではない。
まず先に伝えてくべき事があるが、日本では性風俗というものを基本的に認めてはいない。
いろいろと面倒くさいので説明は省くが、ソープランドなんて形式上はただのお風呂屋さんなのだ。
たまたま髙いお風呂屋さんがあって、部屋に入ると何故か受付で選んだ女の子がいる。
そして何故か突如始まるロマンス……
2人が愛し合っても、それは自由恋愛で、お店はただお客さんにお風呂場を貸しただけなので不干渉という体裁。
まあ細かく突っ込みどころはあるけれどもこんな感じ。
届け出にしても同じ。
警察「あ~、なんか分からないけど、イヤらしいサービスっぽいなにかをするには、この書類を出してほしいな~。まぁ、日本ではそんなお店あるわけないんで、出す人はいないだろうし、出されても受け取るだけで許可なんて出るわけないけど。あ~、でもな~、もしかすると将来的には分からないんで、それに抵触するような可能性が少しでもある人は出すのをオススメかも。万が一、万が一だよ。出されても見ないけど、見覚えのない名前があった場合はお話をするかもしれないから宜しくね~」
という曖昧なモノで、出すのは勝手だけど別に認めないし、別に公認されているわけではない立ち位置なのだ。
だから騙されるな!
別にあれは警察のお墨付きなんてことは間違ってもない!
2.借金の形に泡に沈めるぞ!ってマジであるの?
ひと昔前の映画や漫画でよく聞く・見るこの台詞。
だいたいが返済しきれない多額の借金を背負った債務者に、闇金業界やヤーさんが放つ強烈な定型文で、普通のチマチマした仕事で稼げないなら、性風俗に行ってドカンと稼いで来いよ!という隠語(?)である。
あまりいないとは思うが、風俗で働いている女の人の大多数が、これが原因と思っている人も少なからずいるだろう。
これに対する僕の答えは
「もしかしたらあるかもしれないが、僕は見たことがないし、お店にとってもリスクが大きすぎる」だ。
そもそも警察と風俗業界というのは圧倒的に後者の方が不利だ。
1でも話したが届出だけみても、その力関係が圧倒的に見て取れるだろう。
世にある風俗業者のほとんどは、生き死にを警察に握られているのだ。
そんな状況で「むりやり風俗で働かれてるんです!」なんて直接タレこみでもあれば、今のご時世お店だって無傷ではいられないだろう。
そもそも、お店は女の子至上主義で、女の子を1人入店させるだけでもすごく大変で努力をしている。
それは女の子がそのお店の商品であるからだ。
さらに入店してくれたらしてくれたで、辞めさせないように細心の注意を払うのだ。
どこで情報が漏れるかも分からないこの時代に、あのお店は女の子に乱暴だ!なんて噂が立つものなら、商品である女の子は次々に退店し、新しい募集も来ないだろう。
じゃあ、なんで風俗で働くのかというと簡単に稼げるからだ。
その振れ幅は違うが、基本的にそれ以上でもそれ以下でもない。
風呂に沈めるぞと言われるレベルの人は、もしかすると違法店にはいるかもしれないが、僕は本当に見たことがない。
3.風俗業界ってみんなヤクザなんでしょ?
う~ん、これは非常に回答に困る。というのも、やっぱり僕も業界で働いていてそういったお話は耳に届いていたからだ。
でも、それはあくまで噂だ。
やれ、あのお店のオーナーはヤクザだ。
やれ、実はココは店長が堅気じゃないらしいなど、たくさんの噂が漂う業界というのは間違いない。
ただ、僕がいくら店長レベルと仲良くても越えられない一線はあるのだ。
「おたくのオーナーってヤクザなんでしょ」なんて聞けるはずもない。
営業は営業で、噂のオーナーレベルの人たちと会ってはいたが真相を話すことは一度もしなかった。
それに言っちゃ悪いが風俗の現場レベルのスタッフは大半が低学歴のヤンキーくずれだ。
喰うに困って拾われただの、ココ以外じゃ雇ってくれなかっただのの理由の人は、それこそ腐るほど見てきた。
逆に、脱サラして逆転ホームランを夢見てデリヘルオーナーを始めたという、人も数人クライアントとしていたので、全部がヤクザではないということは断言できる。
4.風俗嬢ってすごく稼げるんでしょ?
これは誤りである。
確かに最高レベルの風俗嬢は月に100万単位のお金を稼いでいるけれども、それはピラミッドの頂点の頂点だけだ。
流れに沿って説明しよう。
例えば60分3万円のお店で働く場合で仮定しよう。
お店によって異なるが大体女の子の取り分は多くて3分の2で2万円。
100万円を稼ぐには100÷2=50
つまりは最低でも50時間が必要だ。
1日5人の場合でも10日かかる。
4人だったら12~13日で3人だったら16~17日だ。
しかも時間は60分でも、自身の休憩時間と準備の時間もあるので、大体1回につき最低でも90分。
3人だったら4時間半、4人だったら6時間、5人だったら7時間半だ。
しかもこれはあくまで理想値なので、実際はもっと非効率になる。
さらに金額設定が下がればさらに効率は下がり、取り分も悪くなれば目も当てられない。
そんなわけで実際は30万稼ぐのもなかなか大変な世界なのだ。
それでも働く人がいなくならないのは、簡単で高給という風俗業界の嘘(ある意味では本当だが)が世間に浸透しているからだろう。
最後に
正直言って、僕は風俗業界はプライベートで足を運ぼうとすら思わないほどに嫌いだ。
ただ、風俗なんて元業界ライターからすればなんら特別なものじゃない。
お腹がすいたら飲食店に行きくような感覚でいいのだと思う。
女の子もお金欲しさに働いているし、スタッフだって同じようなものだ。
どこにでもいる人が、生きるために、お金を稼ぐため一つの道として働いているにすぎないのだ。
だから、偏見を持って絶対に「風俗は行かないし!煙草も吸わない!パチスロもしないし、お酒も呑まない!」というように、最初から否定をするようなことはしないで欲しい。
もういい大人ななのだ(18歳未満はダメだゾ☆・お酒は20歳になってから)。
最初から否定することなく、じっくりと考えて「する・しない」の判断を、周りの誰かでなく、それくらい自分でしてもいいんじゃないかと思うのだ。