禁煙と転職とモテたい願望

転職も成功してボチボチ編集として生きています。そんな三十路が思うこと・考えることをつらつらと書いていきます。

実際に風俗業界で働いて「風俗って実は社会にとって必要なんだ」と思った僕の実体験のお話

僕は数年ですが風俗業界の端っこに籍を置いていました。

 

といっても、風俗情報誌のライター&カメラマンという立ち位置だったので、実際のお店の運営側ではありません。けれどもHPのコンサルティングなども行っていたので、色々なお店さんからは仲良くしていただいていました。

 

今回はそんな僕の実体験をつらつらと書き綴っていこうと思います。

 

最初に断りを入れておきますが、僕は業界に籍を置いていましたが風俗は嫌いです。けれども風俗=悪ではないと同時に思います。社会に必要か必要ないかは個人の想いそれぞれでしょう。

 

風俗は汚らわしい。ヤクザの資金稼ぎだ。社会の最底辺。世の中には風俗のことを犯罪の温床のように指摘する人も少なからずいます。

 

けれども今でも忘れられない出来事が僕にはあります。

 

入社して間もない、とある日。僕がお店に取材に行くと、珍しく50代くらいの女性と入り口ですれ違いました。そのお店のコンセプトとは明らかに違う女性で、業者の人とも違う方だったので、少し違和感を覚えました。

 

店長とは仲良くなっていたので、そのこととを気軽に質問すると、どうやら障害を持った方のお母さんらしいのです。

 

店長は言葉を続けました。「言い方はヒドいけどさ、餅夫くんだってプライベートで滅茶苦茶ブスな女の人をするのはイヤじゃん。最悪、手で、っていう方法もあるけど、それすらも無い人・する知識のない人も世の中にはいるから、ね。多くないけど、たまーにいるのよ。こっちにしたら、金さえ貰えれば客は客だから。あ、もちろん、女の子がOKしたらって前提だけど」

 

いつもはクソみたいな話しかしない店長が話した内容に、少なからず僕は衝撃を覚えました。

 

社内に戻って上司に、そのことを報告するとやはり同じ内容を聞きました。

 

「風俗って、あんまり人に誇れない業界だけどさ、それでも必要な人もいる。自分で処理できなくって、我慢できなくて暴れる人もいる。親がいい年の自分の子どもの処理をするって、それこそ誰も幸せにならない。社会から見放された人たちを実は救っている一面もあるから、この業界で働けている」

 

そう上司は言いました。

 

それは単純に男性側だけではありません。働いている女の人たちも当てはまります。

 

僕が業界に入って驚いたことに、働いている女の子のリストカット率の多さがあります。

 

これまで平々凡々と生きていた僕は、今まで生きていてリスカをした人に会ったことがありませんでした。ですので最初にリスカ痕を見た時は文字通り背筋が凍る思いでした。

 

生々しい傷跡というわけでなく、単純に白い線が入っているだけ。ただ、汗をかいて体全体が赤く火照ってきても、そこだけは無機質に白い線が伸びているだけです。

 

僕にはそれがとても怖く感じました。

 

ドラマやマンガのように2本や3本ではありません。ひどい人は手首から肘の関節辺りまで白い線が入っていました。

 

僕はカメラマンもしていたので、社内の中でもずっと女の人と触れ合う機会がありました。撮影する対象が人物なので、物品の撮影と同じようにはいきません。また、初めてお会いする人が多いですので、友人や家族のように自然な笑顔を向けてくれません。

 

大体一回の撮影で30分から2時間くらいでしょうか。雑談を交えながら、少しずつ距離を詰めていくんです。

 

で、たまにおおっ広げな方が言うんです。「リスカの痕はカメラマンさんの腕で消しておいてくださいねwww」って。

 

そんな時、僕は決まってはドヤ顔で「まーかせなさい!バッチシです!」と応えるんですね。カメラマンというのは基本的に堂々していないといけないんです。負の感情(焦りや不安)を表に出すと、それは撮影者へ簡単に伝わってしまいますから。

 

振ってきた話題をスルーするのは逆に気を使わせてしまうし、そんな人はリスカすることを特別視してないのであえて訊くんです。「いやー、マジで痛そうっすね、それ。僕なんて、ピアスも痛そうだから空けたこと無いんすよwww。空けたいとは思うんですけど、今更やったらイキってると思われちゃうんで空けないんですけど」

 

「うわー、カメラマンさん、マジチキン。ウケる」みたいなこと言ってくれるんです。

 

で、話を訊くと、もうリスカが癖なんだそうで、していないのが逆に不安になるんだそうです。

 

まあ、そういった人は言っちゃうと、ぽっちゃり専門店の人が多いんですね。もちろんきれいな人もいますが、昔いじめられて、リスカばっかやって、社会に必要されていないと思ってたけど、ここで自分を指名して気持ちよくなってくれる人がいるのが嬉しいって。

 

なんかそういうのを聞いちゃうと、駄目ですね。

 

嫌いなんですけど、憎めないというか。

 

原発反対とか、農薬は体に悪いとか、風俗している人は屑だとか。それぞれ程度は違いますが、最初からなんでもかんでも拒絶している人は、本当に正義なのかなと思ってしまう訳です。

 

みんなそんなに強くないんだよ。必要としているからあるんだよ、と思うんです。せめて知ってほしいと思います。

 

お前は、ドブスのコミュ障が誇らしげに笑っているのを見たことがあんのか、と言いたくなるんですね。まあ、言いませんが。

 

僕が風俗のことを書くのは、今は、情報過多で性情報が誤った方向に行ってしまっていると思うからです。

 

キレイなものは崇拝へ。汚いものはさらに蹴落とす。

 

小学生だって無修正の動画を見れてしまう時代に、いくら大人がコウノトリやキャベツと叫んだって、そもそも時代との共通規格が既に合ってないんです。

 

さらに話は飛びますが、この間、小学校の教員の方とプライベートで呑んだんです。

 

そこで友人が言うわけです。「小学校って左寄りの人が多いと思うけど、実際にどう思うのよ?ほら、沖縄とか」って。

 

すでに3次会に入り、意気投合して仲良くなったので聞いたと思うんですが、そこで先生は言葉はじめに「沖縄って、いうならアメリカの植民地じゃないですか」と言うわけですよ。

 

なんか「んー?」と思いました。普通の一般社会に生きている僕らからすると、植民地という言葉が口から出て来ること自体に違和感を覚えたんです。教科書だけの知識をそのまま語っている感がすごかったです。

 

物事を語るならやっぱり、一辺倒の理論だけでは駄目だと思います。事実を認識して、それまでの経緯を調べて、多方からの意見を知って、そこから自分の主観・信念を交えることで、初めて独自の視点に昇華できる。

 

僕はそう思います。

 

最後に

どうでもいいことですが、僕には一つだけこの業界で働いていて誇るべきこと(?)があります。

 

それは僕自身が性風俗のサービスを受けたことがないこと。一発どうよ?サービスしとくよ、と結構な頻度で誘われていましたが、それに応じたことはありませんでした。

 

もちろん今後も通う予定はありません。

 

友人に話すと「もったいない」と言われますが、最初に書いたとおり僕は性風俗が好きではありません。潔癖と言われればそれまでですが、そんな僕でも、風俗は決して必要のないものでも悪でも無いと思います。

 

社会の最底辺に張られた蜘蛛の糸のようなもの。そう言うと少し語弊がありますが、少なからず社会には必要なものであると信じています。

 

少しでもこの文章を読んで、風俗に対する偏見が改善されれば幸いです。

 

それでは、また。餅夫でした。

 

※あくまで個人の意見です。反論などはもちろんあると思いますが、どうかご了承願います。