「オーガニック万歳!」と声高らかに叫んでる人々は、農家と農薬に親でも殺されたの?
最初に話しておきたいのは、僕はオーガニックを信仰している人(以下、オーガニックさんと呼称)のことが好きではありません。ですので、少し傾いた意見になると思いますが、そこはご了承いただけますと幸いです。
まず、僕は農家の息子です。今でも毎年、田植え時期や除草剤散布時は帰省して実家の手伝いをしています。
そんな「ザ・農民」な家に産まれ、幼少期から手伝いと称した過酷な肉体労働を十数年経験しているので、オーガニックさんの意見を見ると「オイオイ!」と色々突っ込みたくなります。
これまでは、口を大にして反論こそしてきませんでしたが、今回は他に書くネタもないので、色々と書き綴っていこうと思います。
農薬に過敏に反応し過ぎじゃない?
オーガニックさんは言います「日本の野菜には大量の農薬が散布されている。しかも野菜や果物には残留農薬が残っている」と。
そうです。農薬は身体に悪いものです。だって草木を枯らして、虫も殺すのに、人間にだけ無害ってそれこそ不気味です。どんな成分だよ、って思います。
ですので、体には悪いのでしょう。
では、少し話は変わりますが、みなさんは農家がどのように農薬を散布していると思いますか?きっと、気楽に無人機から空中散布でもしていると思うんでしょう。
それは違います。もちろんそういった人もいますが絶対的に少数派です。
例えば、お米栽培の殺虫剤・除草剤散布なら、真夏に水の張った田んぼの中、足をとられそうになる泥の中を歩きながら、手に持った2m弱の金属製のノズルから農薬を霧状にして散布します。
ノズルに繋がるホースは、散布者の左足首に一度結びつけて固定され、歩くたびに巻き取り機からその分伸びていきます。そして大本を辿ると、軽トラの荷台にある100lの貯水タンクに繋がっています
まるで応援団の旗のように、ノズルを左右に振りながら歩くので、当然、散布者は全身農薬まみれ。マスクもしていますが、当然口や鼻から体内に入ります。
オーガニックさんなら致死量レベルです。
確かに、昭和40年代の法改正以前はヒドイと聞きます。けれども、今は法律も厳しくなって、「基準値最大の残留農薬がある農作物を、一生涯平均摂取の100倍食べても健康に影響が出ない」にできているそうです。
オーガニックさんが言うように農薬は健康上で良くないものです。けれど、それは騒ぎ立てるほどのことか、と考えます。
どうもオーガニックさんの記事を見ていると、無駄に不安を煽るような記事が多いと思います。オーガニックの有用性を説明したいがために、他を乏しめるのはあまり見ていて気持ちがよくありません。。
農家が自分の食べる分だけ無農薬に拘って分けている、とかいう噴飯ものの噂の真偽
これは誤解です。断言します。というか書き方に悪意しか感じられません。
驚かれる方もいらっしゃると思うのですが、農家だって家庭菜園するんです。
あくまで畑や田んぼで育てるのは出荷用です。決まってるじゃないですか。過剰に豊作なら値崩れを避けるために廃棄や知り合いに渡すことがあります。けれども、不作だったら?
ただでさえ少ない作物を自分の食卓に出すと言うんでしょうか。そんな馬鹿なことはしません。自分で喰う物は自分で好き勝手育てますよ。農家を馬鹿にしすぎです。
家庭菜園と言っても、普通の家にしたら立派すぎる0.5~1反くらいの広さのところもありますので、勘違いしたのかもしれません。
その中で数種類の自分たちが食べたい野菜を育ているんです。そりゃ、野菜によって使用する農薬も違いますから、普段のように大量散布はしません。当たり前ですよね。
そんなことしてしたら、使っちゃいけない作物に農薬が掛かってしまいます。だから、みなさんがご家庭で趣味としているように(規模は違いますが)、ちまちまと育てるんです。
それで、「農家はこっそり自分たちが食べる分だけ農薬を使わないようにしている」なんて言われた日には堪ったもんじゃないです。
というか普通に考えればおかしいと思いませんか。だって、農家が生産しているのは物によりけりですけど、百人単位のお客さんの分を育ててるんです。
自分たちが食べるようにって・・・、一体何人分なんですか。すぐに痛む生鮮食品をわずか十数名分のために畑の土壌から肥料から、なんやらかんやら分けて育てる。
あれ?・・・それってやっぱり家庭菜園じゃないですか?
あきらかに労力に合ってませんよね。
なんかオーガニックの人って、やたら「目覚めた」や「真実」という言葉が好きなような気がしますが、そんな適当なことばっかり書いてると実際の農家の人に笑われますよ。
いや、ほんと。